お墓の文字彫刻の色の入れ直し作業。久喜市寺院墓地

埼玉県久喜市にて、お墓・石材のお仕事をさせていただいております、木村石材店 石原です。久喜市寺院墓地にて、お墓の文字彫刻の色の入れ直し作業をお任せいただきました。

久喜市寺院墓地 色入れ

 

お世話になっているお客様から、お墓の彫刻の色の入れ直しをご依頼いただきました。ご納骨を控えられていて、「以前から気になっていたのでこの機会にきれいにしたい」とのお話しでした。

 

こちらがご相談のお墓です。確かに正面文字などの色は取れてしまっていますが、きれいにお掃除されていて、大切にお参りされているのが分かります。

 

お墓の文字のペイントは、今使われているペイント材であれば、だいたい20年くらいが入れ直しのめやすです。昔使われていた材料ではもっと短いと思います。こちらのお墓は、色はほとんど残っていない状態でした。

 

アップで見ると、少しだけ塗料が残っているのが分かります。もともとは水色が入っていました。

 

家紋です。こちらも同様に、色が入っていたことが分かる程度に塗料が残っていますが、家紋の模様はほとんど分からなくなっています。

 

法名碑です。こちらも額字部分を見ると色が入っていたことが分かります。お墓正面と側面、水鉢前面の家紋、法名碑の彫刻に色を入れ直すことになり、工事開始です。

 

色を入れ直す際は、まずは残っている古い塗料をきれいに取り除く必要があります。そのため、まずは塗料を浮かせて剥離させます。

 

側面の建立年月等が彫刻されているところです。文字色を入れ直す際、そのまま新しい塗料を入れればいいんじゃないの?と思われている方も多いのですが、実は古い塗料の上に新しいものを塗っても、古い塗料がはがれた時に一緒にはがれてしまうため、全く意味がありません。わずかでも残った塗料をきれいにはがしてから、新たに入れ直しをします。

 

家紋部分もきれいに剝離していきます。泡タイプのものを使用しています。

 

きれいに汚れを落としたら、全体的に水洗いして乾燥させます。

 

文字の中もしっかり水洗いします。彫刻直後のような状態まできれいに取り除き、しっかり乾燥させます。

 

家紋も同様です。細かい部分まできれいに剥離できました。ここまでできたら、いよいよ色入れを始めます。

 

色入れが完了しました。元の色と同じ、水色を入れました。ご家名上の家紋も細かい部分まできれいに色が入り、見えやすくなっています。

 

文字の隅々まできれいに入れ直しました。水色はこの地域でもお墓に入れた例はそれほど多くはありませんが、白系の石を使ったお墓で時々見られます。

 

側面の建立年月・建立者の方のお名前です。こうした細かい文字は、白御影石ではどうしても見えにくくなってしまいますが、色が入ったことで読み取りやすくなりました。

 

家紋です。模様が分かりにくかったところもきれいに色が入り、くっきり見えやすくなっています。

 

ご納骨のお手伝いをさせていただいた際、お客様にも仕上がりをご覧いただきました。文字も家紋もはっきり見えるようになったので、「やってよかった」と喜んでいただけました。お墓の色の入れ直しは、一度古い塗料をはがしてから洗浄して入れ直すことになるので、新しくお墓を建てた時よりもむしろ手間がかかりますが、しっかりやらないと意味がありません。丁寧に作業をしたことで、また20年はもってくれると思います!お客様にはいつも大変お世話になり、ありがとうございます。これからも気持ちよくお参りいただけますように、当社でお手伝いできることがございましたら、またいつでもお声かけください。