20年ほど前に施工した外柵に、インド産M10の石塔・墓誌を建立。久喜市寺院墓地

埼玉県久喜市にて、お墓・石材のお仕事をさせていただいております、木村石材店 石原です。久喜市のお寺様墓地にて、20年ほど前に外柵を施工させていただいたお客様より、石塔・墓誌の建立をご依頼いただきました。

 

久喜市寺院墓地 石塔・墓誌建立 インド産M10

 

20年ほど前に、3代目が外柵のみを作らせていただいたお客様からご連絡をいただきました。ご家族様が亡くなり、石塔を建立することになったそうで、現地でお話を伺いました。

 

こちらがその外柵です。中央にある芝台の下に納骨室があります。今回は、この外柵を設置した時にお世話になったお父様が亡くなられ、その息子様と主にやり取りをさせていただきました。

お墓についてはシンプルなものがいいとご希望で、周りのお墓には和型でスリンが付いているものが多いのですが、スリンは付けないことを希望され、上台の家紋彫刻も「シンプルに彫ってほしい」とのことでした。石種については、店頭のサンプルの中からインド産のM10という黒御影石を選んでいただきました。

 

仏様は入っていませんが、手を合わせて工事開始です。砂利が汚れていたので敷き直すことになり、草が生えないようにしてほしいとご希望でしたので、砂利を取り除いた後に土を掘り下げてコンクリートを打つ準備をしています。

 

土を掘り下げ、外柵は全体的にクリーニングしました。弊社で製作させていただいた外柵でしたので、サービスで汚れを落としてきれいにさせていただきました。黒ずんでいた階段や芝台もきれいになっています。

 

コンクリートを入れて、表面をならしました。四つのパイプは水抜きの穴で、コンクリートが固まる前にパイプを抜きます。パイプの中は土のままになっているので、雨水などが溜まることなくここから排水できます。

 

クリーニングをしてきれいになった既存の芝台の上に、新しいお墓の中台を設置します。耐震のゴムシートを使って水平をとりつつ、墓石専用の耐震ボンドをたっぷり使って設置します。

 

中台の上に上台を設置します。ここも同様に、ゴムシートや耐震ボンドを使ってしっかりと耐震施工で据えていきます。上台の青いテープは、あとで目地をきれいに打つために貼っている養生テープです。

 

上台の上に、棹石を据えます。上台の中央にステンレス製の耐震用の棒を取り付けており、棹石の底面に開けた印の穴に差し込んで固定します。接着面には耐震ボンドもたっぷり使い、万一の地震でも倒れないよう施工します。

 

向かって右側に墓誌を設置しました。周りに砂利石を入れたら完成です。

 

インド産M10、すっきりとした高級感のある和型墓石の完成です。棹石の左側面は、建立年月とお施主様のお名前を彫刻しています。

 

今回のお墓の一番の特徴は、上台前面の家紋の彫り方です。「シンプルにしたい」というご希望から、通常は外側に枠を設けてより目立つような彫り方がほとんどですが、枠も設けず家紋だけを彫りました。上台上部にはなめらかな曲線の加工をし、花立や香炉もシンプルですが高級感のある仕様です。

 

墓誌です。同じインド産のM10で作成しています。脚の下に台座がついた安定感のある設計です。こちらも石塔と同じなめらかな曲線を採り入れた、上品な仕上がりになっています。

 

ご納骨のお手伝いもさせていただき、工事のお写真をお渡しすると、「しっかりやってもらえてよかったです」と喜んでいただけました。このたびは弊社に石塔の建立をお任せいただきまして、ありがとうございました。数十年前にいただいたご縁ですが、またお声かけいただけてうれしかったです。何かお困りの際には、またいつでもご連絡くださいませ。

今回は数十年前に外柵を施工したお墓の石塔・墓誌の設置工事でした。既存の外柵に石塔を設置する場合、外柵や芝台に傾きやズレなどがないか必ず確認し、もし問題があれば直してから設置するのですが、今回はそうした問題点もまったく見られませんでした。何十年も前から先代がしっかりした施工をしてきていることを実感しましたし、そのおかげでまたこうしてお声かけいただくことができたのかなとありがたく感じました。私自身も、自信を持って次の世代に引き継ぐことができるようなしっかりした施工を続けていこうと改めて感じたお仕事になりました。